株式会社シェルパがPlayCanvasでXRメタバース開発サービス「SHERPA WORLD」を実現!

様々な業種に対応しWebブラウザで使用できる多機能メタバースプラットフォームを支える、PlayCanvasの強みとは?

建築3DCG/パース制作・WEB制作をおこなう「シェルパ」が、次世代コミュニケーションツールとしてリリースしたメタバース開発プラットフォーム「SHERPA WORLD」。現実社会をデジタル化したミラーワールドを実現し、物理的な限界を超えるコミュニケーション機能を提供しています。
本記事では「シェルパ」の代表取締役 山崎氏と「SHERPA WORLD」の開発プロジェクトマネージャーであるチャリセ氏に同サービスの強みやPlayCanvas採用の決め手、導入効果などについて伺いました。

INTERVIEWEES

山崎 文章

山崎 文章

株式会社シェルパ
代表取締役

チャリセ スディープ

チャリセ スディープ

株式会社シェルパ
「SHERPA WORLD」
プロジェクトマネージャー

まず、御社の会社概要および事業内容をご紹介いただけますでしょうか?

山崎:シェルパグループは、「シェルパ」「3Dmodeljapan」「チョモランマ」の3社で構成されています。このうち「シェルパ」が大本となる会社で、事業内容としては建築3DCGや建築パースの制作、アニメーションやVR、動画編集、Web制作をおこなってきました。メタバース事業はグループ全体で進めており、ここ3年ほど展開しています。

「SHERPA WORLD」について、どのようなサービスか教えてください

チャリセ:「SHERPA WORLD」は、日本初のフルカスタマイズ可能なクロスプラットフォーム対応の多機能メタバースサービスです。

「SHERPA WORLD」の3Dメタバースワールドでは、XR技術を活用し3Dアバターで自由に動き回ったり、ユーザー同士での音声通話やテレビ電話はもちろん、ライブ配信を利用してイベント等を開催できます。あらゆるシーンに対応した機能を実装開発可能な次世代XRコミュニケーションツールです。例えば、展示会・店舗・ショールーム・オフィス・学校・観光・エンタメ等、様々な業界のシーンで活用可能なメタバースサービスになっています。

「SHERPA WORLD」のデモ画面 - 3D空間上を自由に移動できます

「SHERPA WORLD」を開発した背景やきっかけについて教えていただけますか?

山崎:「SHERPA WORLD」の基礎技術はずっと開発してきていました。毎年展示会に出展していましたが、コロナ禍で出展できなくなってしまったのが大きなきっかけです。当時はまだ「メタバース」という言葉は存在していませんでしたが、バーチャルの展示会や観光での需要が出てくるのではと見込み、アプリ版から「SHERPA WORLD」の開発を始めました。

その中で、様々なお客様からアプリだとインストールが手間だというお話を聞くことが多くなりました。そこでWebGLを使ったメタバースを作ることが出来ないかと考え、様々なプラットフォームを試したところ、PlayCanvasの使い勝手の良さが分かり、現在のWebブラウザ版のメタバースをPlayCanvasで開発することになりました。

他のメタバース関連サービスに比べて、「SHERPA WORLD」にはどのようなメリットがありますか?

チャリセ:お客様の要望やニーズに応じてフルカスタマイズが可能です。同時接続数、ワールドの広さ、必要な機能をお客様のご要望に合わせて開発でき、アプリはもちろんWebGLやクロスプラットフォームにも対応しています。他社には無い柔軟な対応力が大きなメリットだと思っています。

また、企画、デザイン、3DCG制作などのフロントエンドの開発はもちろんバックエンドのサーバー構築も全て社内で完結するため、よりスピーディーにクオリティーの高いワールドの制作や予算に応じたメタバースサービスを提供できるのが一番の強みです。

様々なシーンで活用できるよう「SHERPA WORLD」には多くの機能が実装されている

「SHERPA WORLD」の開発にあたって、どうしても実現したかった要件は何でしょうか?

山崎:デバイスを問わず、PCでもモバイル端末でもWebブラウザで使えて同じように動くメタバースということが1番の条件でした。手軽にどんなデバイスでも使えるのが「SHERPA WORLD」の最大のメリットだと考えています。また、データの軽さも追求していました。これらは全てWebGL/HTML5ゲームエンジンであるPlayCanvasで実現できました。

PlayCanvasをご利用前に抱えていたお悩みや課題を教えていただけますか?

チャリセ:UnityやUnreal Engineを使ってWebGLの書き出し等も行ったことがありましたが、どうしてもローディングに時間がかかったり、端末によっては動かないといった問題がありました。

WebGLの開発プラットフォームサービスを探す中で、PlayCanvasのサンプルをいくつか体験しました。コードのみではなくウェブ版ゲーム開発エンジンもあることに驚きました。まずはFREEプランからスタートし、開発の速さ、フォーラムの対応の素早さ、エンジンの使いやすさからPlayCanvasの導入を決めました。

開発の参考にしたサンプルプロジェクト「リアルタイムマルチプレイヤ—
開発の参考にしたサンプルプロジェクト「Third Person Controller
PlayCanvasのフォーラム - 技術質問に対しては非常に素早くフィードバック返答をいただけます

PlayCanvasをご存知になったきっかけを教えてください

チャリセ:WebGLの開発プラットフォームを検索してPlayCanvasを見つけました。他の候補としてはBabylon.jsやThree.jsなどがありましたが、試していく中でPlayCanvasがシンプルで最も使いやすく、エディターもある点が非常に魅力的でした。

PlayCanvasを導入いただいた経緯や、導入の決め手を教えてください

チャリセ:PlayCanvasを初めて使ってみたときは、描画エンジンの軽さと使いやすさに驚きました。
その他、エンジンの定期的なバージョンアップ、新機能の実装や導入しやすいコストにメリットを感じてすぐに契約しました。今ではなくてはならないサービスです。

競合サービスとの比較について、さらに詳細に教えていただけますでしょうか?

チャリセ:たとえばUnityやUnreal Engineを使った場合にテレビ電話や音声通話、テキストチャットを組み込むにはそれぞれのSDKに合わせてカスタマイズが必要となり難易度があがります。PlayCanvasはWebベースなのでAPIを使用して様々なサービスと連携できます。

UIについても外部のUIではなく自分達のUIに置き換えて開発できるメリットが大きかったです。またPlayCanvasではJavaScriptを使用するので組み込みのための開発もスムーズでした。

「SHERPA WORLD」のプロジェクト体制/開発体制について教えてください

チャリセ:「SHERPA WORLD」は、企画プランナー 1名、3DCG制作 5名、フロントエンド開発者 2名、バックエンド開発者 2名、合計10名でメタバースの開発を行っています。

PlayCanvasをご利用いただいて、良かったところはどんな点でしょうか?

チャリセ:チームで開発する際に、シーン内を複数人で同時に編集ができたりコーディングもリアルタイムでできるのでとてもスムーズに開発できる環境ですね。エディターも使いやすくて、軽くてUnityやUnreal Engineのように扱えるのも魅力的です。

複雑かつデータ容量の大きい3Dデータでも軽く動き、自社サーバーにアップロードせずともプロジェクトをビルドして発行されるURLだけで体験できる点に大変満足しています。

反対に、PlayCanvasで気になったところや大変だったところはありますか?

チャリセ:使い始めた頃、エディターではUIやレイヤー周りが少し複雑で難しいと感じました。コーディングでは、RigidBodyの扱いやイベントシステムに慣れるまで時間がかかりました。

PlayCanvasをご利用いただいて、具体的にどのような効果がありましたか?

チャリセ:UnityやUnreal Engineで開発すると、どうしても起動時間やビルド時間など多くの時間がかかりますが、PlayCanvasでは短時間でサクサク開発できます。
また、最近追加された機能ではFBXを自動的にglbに変換しHierarchyまで自動的に作られ、データの扱いが楽になったので大変助かっています。

Three.jsやBabylon.jsと比較するとPlayCanvasは非常に使いやすいです。印象として、例えばBabylon.jsで5時間かかっていた作業がPlayCanvasでは2時間程度で終わりました。

「SHERPA WORLD」でのPlayCanvasご利用について、今後の展望を教えていただけますか?

山崎:現状では、一般的にメタバースサービスは中小企業にとって特にコスト面でハードルが高く、なかなか導入が進んでいません。「SHERPA WORLD」はさらに気軽にご利用いただけるようにコストを下げたり、クライアント側で3Dデータをアップロードできるようにする等のCMSや完全なプラットフォーム化を目指していきます。その際にPlayCanvasを活用していきたいです。

チャリセ:「SHERPA WORLD」以外でも、今後はメタバースに限らず既存WEBホームページ、商品、サービス等の3D/XRコンテンツ化、CMS組み込み、アプリとの連携等、中小企業にも導入しやすく費用対効果の高いコンテンツ開発にPlayCanvasを活用していく予定です。

SHERPA WORLD ロードマップ(2023/02/10 現在)
PlayCanvasの取り組みについては、主にTwitterから投稿をしています

PlayCanvasのサービス全般について、今後こうなって欲しい、こうなったらいい等のご要望があれば教えてください。

チャリセ:現状PlayCanvasではいくつかWebXRのサンプルがあるものの、安定して動いているようには感じておりません。これからウェブ版のメタバースが最も注目されていく中でWebXR機能も必須になってくると思うので、WebXRにもっと力を入れて開発しやすいようにしてほしいです。

最後に、PlayCanvasを他の方におすすめしますか?また、その場合どのような点が特におすすめでしょうか?

チャリセ:フォーラムでのサポートも充実しており、新規参入しやすい環境が整っているのでぜひおすすめしたいです。特に小規模チームで開発する場合や、小規模プロジェクト、Webブラウザで動作するアプリケーションを手軽に開発したい場合におすすめしたいですね。

その他、ゲーム開発エンジンの基礎やJavaScriptを学習したい方にもおすすめです。複雑なゲーム開発エンジンで学習するよりはスムーズに学習できると思います。

本日は貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

株式会社シェルパ

<製品のご紹介>

次世代3DXRコミュニケーションツール「SHERPA WORLD」
サービス紹介サイト
https://sherpaworld.biz/

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