アーキテクト・ディベロッパーがPlayCanvasで画期的な営業向け提案ツールを作成!

コスト大幅削減や工期短縮を実現するPlayCanvasの機能とは?

賃貸住宅の設計・施工から運営・管理までをトータルで担う「アーキテクト・ディベロッパー」が、営業担当ツール「Virtual Siding System」をWebGL/HTML5ゲームエンジンPlayCanvasで構築。顧客との商談時にこのツールを活用し大幅なコスト削減や時間短縮、提案内容の向上を達成しています。
本記事では「アーキテクト・ディベロッパー」にてPlayCanvasでの開発をおこなった森氏と、営業担当の千葉氏、芦澤氏、竹尾氏に「Virtual Siding System」やPlayCanvasのメリット、PlayCanvas採用の決め手および導入効果などについて伺いました。

INTERVIEWEES

森 崇圭

森 崇圭

株式会社アーキテクト・ディベロッパー
建築本部 デザイン室

千葉 洋佑

千葉 洋佑

株式会社アーキテクト・ディベロッパー
営業本部 営業部

芦澤 松陰

芦澤 松陰

株式会社アーキテクト・ディベロッパー
営業本部 営業部

竹尾 広平

竹尾 広平

株式会社アーキテクト・ディベロッパー
営業本部 営業部

まず、御社の会社概要および事業内容をご紹介いただけますでしょうか?

千葉・森:建築家のデザイン力とディベロッパーの実行力を組み合わせて、美しい暮らしを提供しています。建築のプランニングから施工管理までをトータルで実施する企業です。アパート等、賃貸住宅の建築や運営・管理を行っており、首都圏を中心として約43,500件(2023年3月時点)の管理物件があります。

開発した「Virtual Siding System」について、どのようなツールか教えてください

森:営業の方が商談する際に、住宅の3DモデルをPCで表示し外壁の色などの変更をリアルタイムで顧客と一緒に確認できるシステムです。全社の営業70名以上が利用しています。営業のPCのみで表示する社内ツールでアプリではなくウェブ上で利用できます。

開発の背景やきっかけについて教えていただけますか?

千葉:私が最初に要望を上げたのですが、以前は顧客に建物の色を見せる場合にCGで建築パースを作成し紙に印刷していたため、どうしても2週間ほどかかっていました。色変更などの希望があった場合には、再度パースを作成・印刷するためさらに2週間を要します。この工期を短縮したかったのがきっかけです。

どのようなメリットが生まれましたか?

千葉:このシステムでは、顧客との商談時に外壁の色パターンをシミュレーションする場合などにリアルタイムで変更点を確認できるようになり、大きなメリットになっています。

芦澤:商談時には、まだ建物が存在しないので、外壁やバルコニーの色などの組み合わせを分かりやすくイメージしていただく必要があります。このツールを使えば3Dモデルによって明確な住宅イメージを持ってもらえるため、顧客からの反応も非常に良いです。

竹尾:不動産物件を3Dモデルビューワーにより360度で見られるところ、また直感的なUIなので営業でも容易に操作できる点が非常に良かったです。顧客からも非常に好評をいただいています。以前は紙での提案でしたがこのツールでは3Dの提案が実現し顧客自身に物件のイメージが湧きやすくなりました。

開発にあたって、どうしても実現したかった要件は何でしょうか?

森:開発前の要件としては外壁塗装の色変更をシミュレーションできるという点、また営業向けのため外出先でも支障なく使える点が最低限の条件でした。

PlayCanvasをご存知になったきっかけを教えてください

森:「リアルタイムエンジン」でウェブ検索をし、PlayCanvasを見つけました。PlayCanvas日本公式サイトやPlayCanvas運営事務局が配信するYouTubeでのチュートリアルなども参照し、情報提供されている点が分かりました。

PlayCanvasを導入いただいた経緯や、導入の決め手を教えてください

森:UnityやUnreal Engineといったゲームエンジンも検討しましたが、私自身にプログラミング経験が少なかったため除外しました。PlayCanvasはCG感覚で開発でき、複数人でウェブから確認できる点で利便性が高いため採用しました。

競合サービスとの比較について、さらに詳細に教えていただけますでしょうか?

森:当初は建物データ制作ソフトの操作画面をそのまま表示する運用を考えていました。しかし、CGエンジニアや建築設計士ではなく営業担当が使用するため、ユーザーの操作可能範囲を設定する必要があり、PlayCanvas, Unity, Unreal Engineのゲームエンジン3種に絞って2、3か月間検討を進めました。開発担当が私1人だったのでCG制作に似ていて操作しやすいUIという点から、最終的にPlayCanvasに決めました。

プロジェクト体制/開発体制について教えてください

森:3D建築パースの作成は3名でおこない、このうちPlayCanvasへの移行作業が私を含め2名、システム開発に関しては私1人で担当しています。ツールとしてはPlayCanvas、3ds Max、SketchUp、Lumionの合計4つを使用しています。まず建物データを3ds MaxまたはSketchUpで作成し、FBXに変換します。その後、用途に合わせて建物データをPlayCanvasまたはLumionにインポートして使用しています。

開発期間はどのくらいだったのでしょうか?

森:開発期間は1年程度でした。最初の8ケ月間は無償アカウントで調査や開発を進め、その後有償プランに切り替えて2022年4月にリリースしています。

PlayCanvasで良かったところはどんな点でしょうか?

森:2点あります。まず1点目は、システム開発時はリモートワーク中だったため、在宅でPCのスペックにとらわれずに作業できる点や、ネット回線さえあれば作業できる点が良かったです。

2点目に、開発当初は商品カタログとしてこのシステムを活用する予定でしたが、システムをテンプレート化することができたので、各物件ごと対応することにしました。レンダリングの必要がないため、その時間を使い物件ごとの土地や形状を表現し、接客日までに提供することができています。

千葉:現場での打ち合わせが圧倒的に捗るようになりました。顧客にその場で色まで判断いただけるのでかなりの時間が短縮され、顧客満足度向上につながっています。また、紙ベースの建築パースを外注すると通常は5万円程度、360度写真だとさらに高額で10万円程度だったため、大幅なコスト削減にもなっています。

反対に気になったところや大変だったところはありますか?

森:自分にプログラミングの理解が足りなかったので、開発で苦労した点がありました。

PlayCanvasを利用し、具体的にどのような効果がありましたか?

千葉:目に見える効果でいうと、紙ベースの提案で3週間かかっていたところが顧客からの返信メールに即日対応できるようになったので、かなりの時間短縮を実現しています。

芦澤:これまで「Virtual Siding System」で3件を提案しすべて受注しているので、効果は出ていると感じています。

竹尾:建築に詳しい顧客が少ないので、より詳細なイメージを持っていただけて提案の内容がステップアップします。商談を進めるにあたって良い通過点になっている印象です。

株式会社アーキテクト・ディベロッパー 森崇圭氏、千葉洋佑氏、芦澤松陰氏、竹尾広平氏 (左から順)

今後の展望を教えていただけますか?

森:現在、機能改善を予定しています。建物だけでなく庭のブロックの色も替えるなど、変更できる箇所を増やしていきたいです。さらに、こちらは営業から強い要望が上がっているのですが、外壁の変更パターンを増やし、より多くの組み合わせに対応したいです。また、すべてのボタンを並べていて、画面上がボタンで埋まっているためUIの改善も必要です。たとえば外壁などジャンルごとにボタンをまとめ、表示・非表示の切替をできるようにしたいです。

その他、御社でPlayCanvasご利用の予定があれば教えてください。

森:既存システムは外観パースのみが対象ですが、内観の色を変更して確認できる新たなシステムの開発を検討しています。また、コロナ禍の影響でリアルなショールームが減っているので、バーチャルなショールームの作成も計画しています。

PlayCanvasのサービス全般について、今後こうなって欲しい、こうなったらいい等のご要望があれば教えてください。

森:初心者がプログラミングの基礎も含めて勉強できる教材があるといいなと感じます。たとえば、分かりやすいサンプルのデータがあると助かります。初心者向けの内容になってしまいますが、サンプルのコードでどの部分がどういった機能や意味を持っているのかなどについて基本的な説明をもらえると良いです。

最後に、PlayCanvasを他の方におすすめしますか?また、その場合どのような点が特におすすめでしょうか?

森:開発者としては、すべてウェブ上で完結する点がおすすめです。グラフィックも、リアルタイムかつウェブできれいに表現できる点でメリットが大きいと思います。

千葉:非常に優れた社内ツールを開発できたので、営業としては他社に普及しないでほしい部分もあります(笑)。コスト面で特に大きな優位性があるので、グラフィックの向上など機能改善もさらに進めていきたいです。

本日は貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

株式会社アーキテクト・ディベロッパー

<会社概要>

architect developer, Inc.
株式会社アーキテクト・ディベロッパー

所在地:
〒104-0061
東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー 10階

代表番号: 03-3544-2650

事業内容:
アパート・マンションなどの建築請負、及びその後の運営・管理、コンサルティング事業

https://architectdeveloper.com/

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